恋愛カウンセラーのほのかです。
「付き合う前に体の関係を持ってしまった……」
「彼は会うたびに求めてくるけれど、私はもっと会話がしたい」
恋愛のご相談を受けていると、こうした「ベッドの中でのすれ違い」に悩む女性が本当に多いことに気づかされます。
女性からすれば、「体を求められること」は愛されている証拠だと感じつつも、タイミングや頻度があまりに自分と違うと、「もしかして、体だけが目当てなの?」と不安になってしまいますよね。
でも、少し待ってください。
そのすれ違い、もしかすると彼に愛がないからではなく、単なる「オスとメスの機能の違い」かもしれません。
今日は、私たちを悩ませる「男女のセックス観の決定的な違い」について、脳科学と生物学の視点から優しく解説していきます。
1. 男性は「視覚」で、女性は「感情」でスイッチが入る

まず、残酷な現実かもしれませんが、基本のメカニズムをお話しします。
男性は生物学的に、「基本的にいつでもセックスOK」な生き物です。
これには「テストステロン」という男性ホルモンが大きく関係しています。
男性の脳は、子孫を効率よく残すために、「視覚的な刺激(魅力的な女性を見る)」だけで瞬時に性欲のスイッチが入るようにできています。
「可愛いと思った」→「興奮した(セックスしたい)」→「受け入れてくれたら、もっと好きになる」
つまり、男性にとっては「セックス=愛を深めるための入り口」であることも多いのです。
一方、私たち女性はそうはいきませんよね。
女性にとってセックスは、妊娠のリスクを伴う重大な行為。そのため、本能的に「この人は私を守ってくれる安全な相手か?」を厳しくチェックする機能が備わっています。
「優しくされた(会話や共感)」→「安心した・信頼できた」→「触れ合いたい(セックスしたい)」
女性にとってのセックスは、心の繋がりを確認した後の「愛のゴール(確認作業)」。
この「入り口」と「ゴール」というスタートラインの違いが、多くの悲しいすれ違いを生んでいるのです。
2. 拒絶=人格否定? 男性のガラスのハート

ここで一つ、男性側の弁護をさせてください。
女性が「今日は気分じゃない」と断ったとき、私たちは単に「今はしたくないだけ」と思いますよね。
でも、男性の脳内ではもっと深刻なことが起きています。
男性にとって、女性からの性的アプローチの拒絶は、「オスとしての能力の全否定」と感じられることが多いのです。
「いつでもOK」な彼らからすると、断られる理由が理解できず、「僕には魅力がないんだ」「もう愛されていないんだ」と極端に自信を失ったり、逆に拗ねて怒り出したりしてしまうことがあります。
3. その性欲、本当に「愛」? 注意すべきセックス依存症

ここまで「男女の違い」をお話ししましたが、最後に一つだけ、気をつけてほしい落とし穴があります。
それが「セックス依存症」です。
もし彼(あるいはあなた自身)が、以下のような状態なら注意が必要です。
- 不安やストレスを感じると、すぐにセックスで解消しようとする。
- 相手が嫌がっているのに、行為を強制したり、避妊を拒んだりする。
- 日常生活に支障が出るほど、性的なことばかり考えている。
男性は性欲が強いものだと言いましたが、「理性が効かない」のとは別問題です。
セックス依存症は、アルコールやギャンブルと同じように、脳が快楽物質(ドーパミン)の暴走を止められなくなっている病的な状態。
これは「男の本能だから」で済まされる話ではありません。
心の寂しさやトラウマを、相手の体を使うことで埋めようとしているだけ。そこに本当の愛や信頼関係を築くのは非常に困難です。
もし、パートナーとの関係で「大切にされていない」「道具のように扱われている」と感じるなら、それは男女の違いを超えた「心のSOS」かもしれません。
まとめ:違いを「諦める理由」にしないで

男性と女性、まるで別の生き物かと思うほど、性に対するスイッチの入り方は異なっています。
- 男性は「視覚」と「衝動」のアクセル。
- 女性は「安心」と「信頼」のブレーキ。
この違いを知っているだけで、「なんでわかってくれないの?」という苦しみは、少しだけ「仕方ないことなのかも」という許しに変わるかもしれません。
大切なのは、どちらかが我慢するのではなく、「私はまず会話で繋がりたい」「僕は肌を合わせることで安心したい」というお互いの取扱説明書を見せ合うこと。
